水中の物体の浮き上がり


内容

水中にある物体は光の屈折のために実際より も浮き上がって見える。
しかし、実際に真上から眺めてみても、 どれだけ浮き上がって見えているかはわかりにくい。

ここでは、どれだけ浮き上がって見えているか を手軽に確認できるような教材を製作した。


原理

焦点距離fの凸レンズに対して2fのところに物体を置くと、
2fのところのスクリーンに像がはっきりと映る。


(論文より引用、図1)

しかし、物体が水中にある場合はスクリーン上の像がぼやける。
ここで、スクリーンとレンズを一緒に動かしていくと、 スクリーンに像がはっきりと映る位置がある。
そのとき、レンズから2fのところが物体の見かけ上の位置ということになる。


(論文より引用、図2)


構造

光をコの字型のスリットに通してスクリーンにその像を映す。
スクリーンは半透明なので像は上から透けて見る。


(論文より引用、図3)


観察

上から見た様子
管Bに水が入っていない場合はスクリーンにスリットの像がはっきり映る。(左)
管Bに水を入れると像がぼやける。(中央)
そこから管Aを引き上げると像が再びはっきり映るようになる。(右)


(論文より引用・改変、写真3)

横から見た様子
管Aを引き上げた状態
スリットの実際の位置と見かけ上の位置がわかる。


(論文より引用、写真4)


論文

寺嶋容明,髙草木伸: 光の屈折による水中の物体の浮き上がりを観察できる教材の製作
物理教育 65(1), 16-19 (2017)

※島津理化より製品化: 見かけの深さ測定実験器 (島津理化、APD-70)


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